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住まいコラム

収納・暮らし
投稿日:2025年10月16日

被害急増 住宅の点検商法に要注意

被害急増 住宅の点検商法に要注意

念願のマイホームを手に入れ、家族と快適な暮らしを送っていても、住まいには定期的なメンテナンスが欠かせません。設備の不具合や建物の劣化はある日突然やってくることもあり、「我が家は大丈夫だろうか」と不安を感じる瞬間は誰にでもあります。屋根や外壁、床下や配管のように普段は目にしない部分や、エコキュート・IHクッキングヒーターといった設備の寿命など、見えにくい箇所ほど気になるものです。
こうした心理につけ込み、「無料で点検します」、「メーカーから依頼を受けています」と名乗って突然訪問し、不要な工事や商品交換を契約させる手口が全国で問題になっています。警視庁や自治体も注意喚起を行っており、近年では手口がより巧妙化しています。消費者にとっては「本当に必要な点検」なのか「悪質な商法」なのかを見極めるのが難しく、被害額は拡大傾向です。

独立行政法人国民生活センター「点検商法」による相談件数の推移

年度 2022 2023 2024
相談件数 8,166 12,550 19,215

ただし、すべての訪問点検が危険というわけではありません。実際の住宅点検で不具合や重大な劣化の前兆が発見され、大きなトラブルを未然に防げることもあります。屋根や床下、配管といった箇所は生活の中で確認が難しく、専門家による点検は有効なケースも少なくありません。
問題は、点検を装って不必要な工事を迫る悪質業者が存在することです。点検中に自ら破損させて修理を勧める例や、訪問者が本当に専門的な知識を持っているか分からないケースもあります。突然の訪問者を家に上げること自体、防犯面で不安を感じる方も少なくないでしょう。
結局のところ、「本当に必要な点検」なのか「悪質な商法」なのかを見極めるのが非常に難しいのです。ここでは、点検商法の実態や手口、被害の特徴、防止策について整理していきます。

1. 点検商法とは

点検商法とは、警視庁のホームページでは下記のように定義づけています。
家庭を訪問して、あたかも正規の点検の振りをしながら断り切れない状態にしておいて不必要又は法外な価格のリフォーム工事や商品交換、駆除作業等を行う契約を取る商法です。
具体的には建設したハウスメーカーの定期点検を装ったり、公共工事に関連する点検を装い、住宅や生活インフラに対する「無料点検」や「サービス」を口実に住宅を訪問し、実際には不要なリフォーム工事や高額な商品を契約させる悪質な販売手法です。場合によっては点検と称して家に上がり込み、自ら部材を壊して「劣化しています、すぐ直した方がいい」と不安をあおり、契約を迫るケースも報告されています。

2.よくある手口と被害事例

  • ※写真はイメージです。

  • 点検商法にはいくつかの手口があり、それに基づいた被害事例が全国で報告されています。ここではその代表的な例をご紹介します。

ハウスメーカーを装うケース
「こちらの建物を建設したハウスメーカーですが、新しく担当させていただくのでご挨拶に伺いました」
「こちらの建物を建設したハウスメーカーから委託されて点検に伺いました」
建設したハウスメーカーなどの言い回しでハウスメーカー名を名乗らない場合は要注意!

設備メーカーを装うケース
「エコキュートやIHクッキングヒーターのメーカーから委託を受けて点検に来ました」
個人情報保護の観点から住宅メーカーや工務店、リフォーム会社から設備メーカーへ同意なしに個人情報をお渡しする事はありません。点検を受ける前に設備メーカーのホームページから点検申込に関するご案内を確認しましょう。

近隣工事を口実にするケース
「近くで工事していたらお宅の屋根が破損しているのが見えたので点検します」
実際に近隣で工事をしているハウスメーカーを名乗った場合でも要注意。実際は無関係のケースがあります。
名刺をいただき名乗ったハウスメーカーへ問い合わせをして確認をしましょう。

公共工事を装うケース
「この一帯で水道工事を予定しており断水があります。事前に不具合が無いか無償で確認をして回っています。」
いかにも公共工事と関連があるような言い回しをしますが、実際は無関係な場合があります。
公共工事と関連があるのであれば自治体から指定を受けた工事事業社でなければ施工をすることができません。点検を実施する前に電力会社や水道局に問い合わせして確認をしてみましょう。

3. 防止策や対策

悪質な点検商法は近年より手口が巧妙化し、「自分は大丈夫」と思っている人ほど狙われやすい、とも言われています。突然の訪問や不安をあおる言葉に、冷静な判断を奪われてしまうのは決して珍しいことではありません。被害を防ぐためには、あらかじめ正しい知識を持ち、具体的な対策を取ることが何より重要です。ここでは、悪質な点検商法を避けるための基本的な心構えと行動のポイントを整理します。

防犯意識を持つ
不審な訪問者を安易に家に上げないことが最も重要です。特に普段見える事のない屋根や床下は、元から破損していたのか、点検者が破損させたのか証明が困難なため、要注意です。点検と称して自宅に入り、窃盗や脅迫を受けた悪質な例もあるので、点検を受ける場合は、必ず信頼できる業者に依頼するようにしましょう。

その場で契約しない
悪質業者は「今日だけ特別価格」「今すぐ修理しないと危険」と不安をあおり、即決を迫ります。こうした言葉が出た時点で疑ってよいと考えましょう。その場で契約せず、一度話を持ち帰ることが最大の防御策です。

家族や第三者に必ず相談する
高齢者や一人暮らしの方が狙われやすいのは、「相談する相手がいない」状況にあるからです。必ず家族や知人に相談し、判断を共有することが大切です。特に大きな金額が動くリフォームや設備交換は一人で決めないことを習慣化しましょう。

業者の身元を確認する
「メーカーから委託されている」「公共工事と関係がある」と説明された場合、そのまま信用せず、必ずメーカーや自治体に直接問い合わせましょう。正規の委託業者であれば公式ホームページや窓口で確認できます。

身分証・会社情報を確認する
勧誘に来た人の名刺や会社名、連絡先、所在地を必ず控えましょう。悪質業者は連絡先が不明瞭であったり、会社住所が存在しないケースが多くあります。

点検中は必ず立ち会う
自ら部材を壊し、「壊れています、このままでは危険なので修理が必要」と契約を迫るケースも確認されています。もし点検を受ける際でも点検者任せにせず必ず立ち会いましょう。

相見積もりを取る
本当に必要な工事であっても、業者によって金額は大きく異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取り、内容と金額を比較してください。相場感を知ることで、不当に高額な契約かどうかを見極められます。

工事請負契約書を取り交わす
住宅リフォームや修繕工事を行う場合、多くは「建設業法」に該当し「工事請負契約書」 の取り交わしが必要です。口頭でのやり取りではなく必ず取り交わしましょう。

4. もし悪質な点検商法と契約してしまったら

もし契約を締結してしまった場合でも、訪問販売には原則8日間のクーリング・オフが適用されます。
クーリングオフは契約書交付日を含め8日間です。その期間に内容証明郵便に配達証明を付加してクーリングオフの意思表示を行いましょう。注意していただきたいのではハガキ等では無く必ず内容証明郵便で行うことです。
もし工事が開始されていたり既に完了した場合でも、クーリングオフは可能です。
工事業者は契約時の状態に戻す義務があるので、不利益になる事はありません。

また、少しでも不審な点や、心配な点があれば迷わずに下記の相談窓口へ連絡をしてみましょう。
消費者ホットライン
電話番号:188

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
電話番号:03-3556-5147

まとめ

点検商法は、住まいに関する不安心理につけ込み、巧妙な言葉や態度で契約を迫る悪質な手口です。
実際に国民生活センターへの相談件数も年々増加しており、誰にでも被害に遭う可能性があります。
しかし一方で、住宅の点検やメンテナンス自体は住まいを長持ちさせるうえで欠かせないものです。
大切なのは「必要な点検」と「悪質商法」を冷静に見分けることです。
「少しでも不審だ」と感じたら、慌てずに立ち止まり、信頼できる専門家や公的機関へ相談しましょう。

この記事を書いた人

営業課 原

土地の仕入からプランニング、販売を担当しています。
マイホームの購入は、人生の大きな節目であり、家族の未来を築く大切な一歩です。様々な選択肢があり、決断に迷うことも多いかもしれませんが、この過程ができるだけ楽しく、ワクワクするものになってほしいと考えています。お客様の立場に立ち、その過程が喜びと満足感に変わるようサポートすることを心がけています。お客様一人ひとりにとって、最適な住まいを見つけるお手伝いを全力でさせていただきます。

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